死にたがりティーンエイジを忘れない


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次に竜也から連絡があったのは、確か十一月だ。

学園祭が十一月下旬に開催されるから、クラスで出店の話し合いをしている時期だった。


竜也は、十五分でいいからと電話口で言って、わたしを学食に呼び出した。

切羽詰まった口調なのが気になって、わたしは竜也の呼び出しに応じた。


顔を合わせるやいなや、竜也は一枚の紙をわたしに見せた。


「蒼さんの彼氏さんって、この人ですよね?」


A4サイズの用紙に、写真がカラー印刷されている。

写っているのは確かに笹山だ。

オシャレな居酒屋のテーブル席で、笹山は、酒の入った赤い顔で笑っている。


「何でこんな写真を?」

「蒼さんが彼氏さんといるところ、何度か見掛けたことあったんです。たぶん彼氏さん、おれのマンションのすぐ近所に住んでますよ。顔、すぐ覚えました」

「そう」

「この写真は、部活の先輩経由です。おれがだまされやすいからって、変なサークルに引っ掛からないように、からかい交じりなんですけど、ヤバいサークルを教えてくれてて」

「ヤバいサークル?」


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