死にたがりティーンエイジを忘れない
〈部活の雰囲気がそんなんじゃあ、おれもやりたくないな。ギター弾くのは? 都会の学校だったら、バンドやってる部活とか、あるんじゃないの?〉
「ないみたい。どっちにしても、誰かと音楽やるつもりはないよ。ギターの弾き語りは一人でできるし」
嘘だ。
確かに、弾き語りそのものは一人でできることだけれど、
発表のチャンスもないのにギターの練習ができるかというと、わたしはそういうタイプではない。
わたしにとって音楽は、ちょっと得意でちょっと楽しいっていうレベル。
毎日を過ごすのが苦しくなると、とたんに手が付かなくなった。
苦しさをまぎらわすためにギターを弾く、という本気のミュージシャンに生まれついたらよかったのに。
沈黙を埋めるように、雅樹は言葉を重ねた。
〈こっちは相変わらずだよ。おれは陸上だけじゃなくて、人数合わせのために野球部にも呼ばれてる。
テストの点数もキープできてる。ひとみも当然、だな。おれら二人とも、高校は絶対にそっちに行くよ〉
「ふぅん。頑張って」
〈棒読みじゃん。ひっでぇな〉
そう言いながらも雅樹は笑っていた。
わたしは気まずかった。
一緒に笑えたらいいのに、できない。
笑うのが苦しい。
転校して、学校というものが嫌いだと気付いて、自分がいなければならない世界の全部を否定することに決めて、
笑うことが忌まわしくなった。
わたしは笑わない、笑ってはいけないんだと、心に刻むようになった。