死にたがりティーンエイジを忘れない
わたしは雅樹の笑い声を断ち切るように言った。
「用事ないなら、切るけど」
雅樹は、ふっと静かになった。
少し間があって、それから雅樹はため息をついた。
〈ここんとこ毎年、おれんとこと蒼んとこの家族でバーベキューやってたろ? あれって、もう、おしまいかな。今年、やらねぇんだよな〉
楽しかったはずの思い出が、今はただ、うっとうしい。
「おしまいでいいじゃん」
後ろめたいんだ。
まともに学校に行っていなくて、人付き合いも拒んでばっかりで、親に暗い顔をさせている。
それなのに、こんなわたしが何か楽しいことをするなんて、許されない。
雅樹はもう一度、ため息をついた。
〈みんなさ、今年になってから、ちょっとずつ変わった気がすんだ。付き合い始めたりとかさ、いろいろ〉
「だから何? 変わらない人なんかいないでしょ」
〈ひとみも三年にコクられてたし、おれも……何か自分でも意味わかんないんだけど、おれ、二年になってから妙にモテるっていうか。何なんだろ?〉
「知らないよ。状況、わたしにはわからないし」
〈恋愛感情って何?〉
「知らないってば」
〈蒼は人を好きになったこと、ない?〉
「ない」
〈おれのことは?〉
「腐れ縁」
〈……何だかんだ言ってもさ、おれと蒼、ひそかに噂になってたろ? おれらがちっちゃいころは、母親同士はけっこうその気だったし。二人が結婚するなら将来安泰とか言ってて。
おれ、わりとそれ本気にしてたんだけど〉