死にたがりティーンエイジを忘れない
「珍しー! 蒼ちゃんがいるし!」
「相変わらず白いなー」
「宿題とか完璧でしょ? 頭いいもんなー」
ここでまともにリアクションできるなら、わたしは何の苦労もしないんだろう。
派手でイケてる仲間に囲まれて、頭がいいと崇拝されて、楽しい学校生活を送れるんだろう。
わたしは、どうしてこの世界に入っていけないんだろう?
表情を殺す。
目をそらす。
声が出ない。
心が灰色に濁っていくみたい。
ねえ、バカバカしいんだけれど、こんなふうに自分の殻にこもって感情を凍らせるたびに、まわりの連中が口にする言葉があるんだ。
「クールビューティだよね。高貴な感じがして近寄りがたいっていうか、笑わないからこそ美人っていうか」
わたしは親に感謝でもすればいい?
美人って何?
知らないよ、そんなの。
木場山では誰もそんなこと言わなかった。
自分の顔が他人から見てどんなふうかって、考えたことがなかった。
それに最近は、鏡なんか全然見ていない。
鏡に映る自分があまりにも嫌いだから。
見られることが気持ち悪い。
髪型もメイクも頑張りまくっている女子の視線。
すぐに股間がどうのこうのと言い出す男子の視線。
あの人たちの目にわたしの姿がどう見えているのか、想像したくもない。
集団から抜け出したかった。
でも、手をつかまれたりカバンを持たれたりして、逃げられなかった。