死にたがりティーンエイジを忘れない
男子は放課後になるやいなや、部活に行ってしまう。
準備優先の時間帯にキッチリ作業をして、それから部活に行ったり下校したりするのは、ほんの数人。
淡々と仕事をこなす男子のうちの一人が、放送委員で美術部の上田だった。
派手なグループに話しかけられれば、穏やかそうな笑顔で無難に受け答えする。
そうしながら、つねに手を動かしている。
軍手を付けて、竹を曲げて形を決める。
竹の継ぎ目や交点を針金で縛る。
目の粗いカゴを編むような作業。
誰もやったことがない。
うまくいかなくて、針金をペンチで切ってやり直すこともある。
遅々として進まない作業のそばで、おしゃべりがうるさい。
わたしの耳には、誰が何をしゃべっているのか聞き分けられない。
ありとあらゆる声が混ざって、ただの一つの大きな音にしか聞こえない。
鼓膜が熱くしびれている。
智絵は教室の隅で、一人で竹の節を削っていた。
曲げるときに邪魔になる硬い部分を、カッターナイフでそぎ落として、できるだけ平らにする。
幅が一定しない竹があれば、それもならしていく。
組み立てに関わる作業がメインの流れだから、智絵はそちらに直接関わることを避けていた。
ふざけてばかりの派手な人たちは、智絵が加工した竹に触れようとしない。
その竹が汚いものであるかのように押し付け合って遊んだりもする。