死にたがりティーンエイジを忘れない
保健室で治療してもらった。
消毒液がしみたのは最初の瞬間だけで、後は、かゆいようなもどかしいような変な感触になった。
そのむずむずする感触も、刺さったままの竹の繊維も、傷ごと全部、握りつぶしてしまいたい衝動に駆られた。
針金でできた傷が化膿しかけていたらしい。
道理で腫れているわけだ。
痛がゆくて、思わず噛み付いてしまうことがよくあった。
保健室の先生からクラスの様子を訊かれて、わたしは正直に話した。
いじめがあること。
居心地が悪いこと。
作業が進まないこと。
その状況を担任が知らないことも話したら、伝えるべきだと言われた。
職員室に話しに行くのは面倒だった。
紙に書いて伝えようと思った。
左手に包帯を巻かれて保健室を出ると、ちょっと行ったところの廊下で上田と鉢合わせした。
上田はわたしの顔と手を見比べて、声をひそめた。
「さっきケガしたんだよね? 大丈夫?」
「見てたの?」
「手が離せない作業してたから、気になったんだけど、声もかけられなくて。傷はどう?」
「たいしたことない」
「そっか。二学期が始まってから、疲れるよね。琴野中の行事の雰囲気って、こんな感じなんだ。去年もそうだったし、先生たちが言うには、毎年こんなふうなんだって」
「期待してなかったし、別にいい。でも、まじめにやってる人だけがバカを見るようなのは嫌いだから、担任に伝えるつもり」