死にたがりティーンエイジを忘れない
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朝からずっと吐き気があった。
無理やり給食を胃に押し込んだら、昼休みに吐いた。
胃液まで出尽くして、苦いようなすっぱいような味が喉から口にかけて残った。
胃酸で焼けた喉の奥がヒリヒリして、声がしゃがれた。
ああ、歌えないな。
急にそんなことを思った。
喉が無事だったとしても、歌いもしないくせに。
キリキリ痛む胃を押さえながら保健室に行った。
横になりたかった。
保健室は満杯だった。
教室に行けない子たちが、ベッドもソファも椅子もすべて占領していた。
みんな、パッと見には普通にしている。
笑い合っている人たちもいたけれど、わたしの入室に気付いたとたん、彼らは押し黙った。
養護の先生が、困ったような顔をした。
「どしたの? 顔色よくないけど、具合悪い? 熱でもある?」
「胃が痛くて。吐きました」
「早退する?」
「今からロングホームルームで文化祭の準備ですけど、最後に数学があるので、抜けたくないです」
ひとまず熱を測ってみたけれど、やや低めの平熱。
教室に行けずに体調を崩している子たちを追い出してまで、ベッドやソファで横になるわけにはいかない。
いや、養護の先生は「代わってもらってもいい」と言った。
わたしは「いらない」と意地を張った。
わたしだって教室にいたくない。
彼らのつらさはわかるつもりだ。
彼らがやっと見付けた世界に土足で入って、そこを奪いたくはない。