死にたがりティーンエイジを忘れない
子ども時代から、カレンはぽっちゃりした体型だったらしい。
脚光を浴びるようになってダイエットを始めた彼女は、やがて「もっとやせなきゃ」という衝動に駆られ、度を超した行動を取るようになっていった。
拒食症は「食べることを拒む」と書く。
ただ、それだけじゃない。
「食べたことを拒む」でもある。
例えば、下剤を飲んで、食べたものを体から追い出す。
体はだんだん、薬に対する耐性を持ち始める。
服用する量を増やさないと、薬が効かなくなる。
それでも「食べたことを拒む」から、どんどん下剤の量が増えて、体への負担が重くなっていく。
カレンもそうだったらしい。
通常の十倍もの下剤や甲状腺の薬を飲んでいたという話もある。
異常な量の薬によって、彼女の心臓には、途方もない負担がかかっていた。
仲良しの兄と二人でデュオを組み、世界じゅうから愛される唄を歌ったカレン。
でも、プライベートでは苦しんでいた。
無茶なダイエット、電撃結婚した夫との不仲、両親の愛に飢えるアンバランスな心。
最期に「ママ、抱いて」と寂しがりながら死んでいったというカレンの症例は、衝撃的だった。
本には、ほかの症例も載っていた。
回復した症例もあった。
カレンのように合併症で亡くなった症例もあった。
自殺してしまう症例もあった。