死にたがりティーンエイジを忘れない
.:*゚:.。:. ☆.。.:*・゜
智絵の家にはインターネットができるパソコンがあった。
今でこそネットなんて当たり前のもので、パソコンを起動するまでもなく、スマホで簡単にオンライン空間に接続できる。
でも、一九九九年にはまだ、ネット環境のある家はそう多くなかった。
電話回線を利用したネットをつなぐ間、家の固定電話が使えなくなる。
当時はそういう不自由さもあった。
ネットに接続するまでの一つひとつのプロセスも遅かった。
月末にスマホの通信制限がかかったら、動作がひどく遅くなるけれど、あんな感じ。
パソコンがダイヤルする音を聞きながら、ネットの世界に入っていくまでの時間を、本を眺めながら待った。
わたしの家にも、ネットのできるパソコンがあった。
学校の技術の授業でも、ネットについてチラッと習った。
でも、使い方は智絵の家で覚えたようなものだ。
智絵がネットを使ってみたいと言った。
それで、二人で試してみたのが最初だった。
智絵が何かをしたいって望むなんて、めったにないことだったから。
「二次創作の絵が、たくさん見られるんだって。即売会とか、イベントに行かなくても、同じ趣味の人を見付けられる。
掲示板で話すこともできるらしいから、そこでなら、あたしも、人と話せるかなって」