死にたがりティーンエイジを忘れない


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智絵の家にはインターネットができるパソコンがあった。

今でこそネットなんて当たり前のもので、パソコンを起動するまでもなく、スマホで簡単にオンライン空間に接続できる。

でも、一九九九年にはまだ、ネット環境のある家はそう多くなかった。


電話回線を利用したネットをつなぐ間、家の固定電話が使えなくなる。

当時はそういう不自由さもあった。


ネットに接続するまでの一つひとつのプロセスも遅かった。

月末にスマホの通信制限がかかったら、動作がひどく遅くなるけれど、あんな感じ。

パソコンがダイヤルする音を聞きながら、ネットの世界に入っていくまでの時間を、本を眺めながら待った。


わたしの家にも、ネットのできるパソコンがあった。

学校の技術の授業でも、ネットについてチラッと習った。

でも、使い方は智絵の家で覚えたようなものだ。


智絵がネットを使ってみたいと言った。

それで、二人で試してみたのが最初だった。

智絵が何かをしたいって望むなんて、めったにないことだったから。


「二次創作の絵が、たくさん見られるんだって。即売会とか、イベントに行かなくても、同じ趣味の人を見付けられる。
掲示板で話すこともできるらしいから、そこでなら、あたしも、人と話せるかなって」


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