シンデレラは騙されない
最後の言葉は甘美なキスとともに消えていく。
うっとりするような凛様のキスの虜になったのは、今に始まった事じゃない。
こんなに滑らかに優しく、私を大切に扱ってくれる凛様に私だってたくさんの愛を注ぎたい。
そんな風に二人の思いが一致した後は、もう、何もかも運命に任せた。
凛様の熱く情緒的なキスに、私の感覚は研ぎ澄ませされて凛様の想いに答えたいと思った。
せっかくの夜景も、丁寧に冷やされた飲み頃のワインも、私達には何も必要ない。
肌と肌を重ね合い、お互いを尊重し思いやる。
何度も何度も愛し合っても、それでも、二人の渇望は収まらない。
「もう、俺は、麻里なしじゃ生きていきない…
麻里を幸せにするためなら、俺は何でも受け入れて全てを捧げるよ。
だから、俺を信じてほしい…
俺を諦めないで…」
凛様の肌の温もりに私は涙が溢れそうになる。
私は、凛様の言葉に、やっぱり何も返せなかった。
でも、凛様はそんな私を問い詰めたりしない。