私は強くない
今、何時だろう?
帰ってこない圭輔さんを待って、ソファで寝てしまっていた私は、夜中に目が覚めた。

時計は2時を指していた。
帰ってきた気配もなく、電話をかけてきた形跡もなかった。
自然と私の頬に涙が流れていた。

こんなんじゃなかった。
私はみんなに祝福されて、結婚したかっただけなのに、圭輔さんと一緒にいたかっただけなのに。

蒼井の事を考える事は、余計な事だったのか。
自分が幸せになる為に、人を傷つける事がよかったのか…

拓真と別れる時に、あんな事をした私に対する罰なのか…

誰もいない部屋で私は声を出して泣いていた。


朝になっても圭輔さんは帰ってこなかった。
どこに泊まったんだろう?
もう一度、電話をかけたけど同じ自動音声が聞こえてきた。
ほんとに私達はダメなのか…
私が言い出した事なのに、なんで…

♪♪♪♪♪♪♪

圭輔さん?

慌てて私は電話に出た。

「圭輔さん?今どこ?」

「……俺、だけど。倉橋、なんかあったのか?」

「え?あ、蒼井…」

蒼井からの電話だった。

「ど、どうしたの?」

「いや、昨日混乱してて…話ちゃんとしてないからさ、時間取れるか?」

一人で会っちゃダメと美波から言われていたが、そんな訳にもいかず、ここでちゃんと話をしようと、蒼井と会う約束をした。

「じゃ、そこで待ってるよ」

「うん、私も今から用意するから、待ってて」

私は慌てて出かける準備をした。
この泣き腫らした顔をどうにかしなきゃ…


家から少し離れた喫茶店で待ち合わせをした。
蒼井はすでに着いていて、コーヒーを飲んでいた。

「ごめんね、待った?」

「いや、俺もさっきだから、ごめんな。急に呼び出して…」

昨日の今日でバツの悪そうな顔をした蒼井は、私の顔を見て、顔色を変えた。

「っ、なんかあったのか…」

「ん?何にもないよ。それより、話って?」

何にもないよ、と言った所で蒼井にごまかせる訳もなかった。

「喧嘩したのか?名取部長と」

「っ、ないって、大丈夫だって。心配しないでよ」

「泣きそうな顔してるのに、無視出来ないだろ?…っ、俺のせいだな、ゴメン」

蒼井が頭を下げたのだった。
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