独占欲強めな御曹司は、ウブな婚約者を新妻に所望する
「それではタオルと頭を冷やすものを用意していただけますか」
「はい」
返事をして私は頭を下げ、部屋を退出した。
私が柿元さんに指示されたものを用意していた時、液晶モニターから呼びだし音が聞こえた。寝室の開け放したドアから、柿元さんの声がした。
「すみません、田地川(たじかわ)先生だと思いますのでオートロックを解除してください」
言われるがまま、名乗ってくださった来訪者の名前を確認してオートロックを解除した。
やって来た医師は四十代くらいの男性だった。柔和な笑顔を浮かべ、彼を診察してくれた。
診断結果は過労からくる体力低下。それに軽い風邪をひいているとのこと。とにかく安静にして体力を回復させるように、と言われた。解熱剤など必要な処方をして、医師は帰っていった。
苦しそうに眠っている彼が心配だったけれど、私は柿元さんに話があると言われリビングに戻った。
お茶を出そうとすると、それよりも座ってくださいと促され、リビングのソファにセンターテーブルを挟んで、柿元さんと向かい合って座る。
私が彼に会っていなかった間、煌生さんはアメリカ、上海と出張し、福岡、大阪と各地を飛び回っていたらしい。それぞれの支社で起こっていたトラブル処理は勿論、並行して今週の日曜日のハーモニーガーデンのパーティーの準備もあったらしい。私が彼から聞いていたことはその一部だけだった。
「ハーモニーガーデンの新店舗に関わる新サービスの準備ですか?」
おずおず聞き返した私に柿元さんは満足そうに頷く。
「そうです。招待客や料理など、事務的なことは我々秘書が対応できますが、その件は副社長自らが指揮をとられていたんですよ。都筑様が素晴らしい案を出してくれたと喜んでおられました」
「はい」
返事をして私は頭を下げ、部屋を退出した。
私が柿元さんに指示されたものを用意していた時、液晶モニターから呼びだし音が聞こえた。寝室の開け放したドアから、柿元さんの声がした。
「すみません、田地川(たじかわ)先生だと思いますのでオートロックを解除してください」
言われるがまま、名乗ってくださった来訪者の名前を確認してオートロックを解除した。
やって来た医師は四十代くらいの男性だった。柔和な笑顔を浮かべ、彼を診察してくれた。
診断結果は過労からくる体力低下。それに軽い風邪をひいているとのこと。とにかく安静にして体力を回復させるように、と言われた。解熱剤など必要な処方をして、医師は帰っていった。
苦しそうに眠っている彼が心配だったけれど、私は柿元さんに話があると言われリビングに戻った。
お茶を出そうとすると、それよりも座ってくださいと促され、リビングのソファにセンターテーブルを挟んで、柿元さんと向かい合って座る。
私が彼に会っていなかった間、煌生さんはアメリカ、上海と出張し、福岡、大阪と各地を飛び回っていたらしい。それぞれの支社で起こっていたトラブル処理は勿論、並行して今週の日曜日のハーモニーガーデンのパーティーの準備もあったらしい。私が彼から聞いていたことはその一部だけだった。
「ハーモニーガーデンの新店舗に関わる新サービスの準備ですか?」
おずおず聞き返した私に柿元さんは満足そうに頷く。
「そうです。招待客や料理など、事務的なことは我々秘書が対応できますが、その件は副社長自らが指揮をとられていたんですよ。都筑様が素晴らしい案を出してくれたと喜んでおられました」