独占欲強めな御曹司は、ウブな婚約者を新妻に所望する
彼の言葉に胸が熱くなる。私の知らない場所で、彼が私のことを考えてくれている。その事実が嬉しかった。
「都筑様をエスコートなさる準備も進めてらっしゃったんです。とても楽しみにされていたんですよ」
そんな話は初耳だ。
「え、でもっそんな大々的なパーティーに私なんかが……」
「大事な自慢の婚約者だからと仰ってましたよ」
ゆったりと私に皆まで言わせず、柿元さんが微笑む。その言葉に泣きそうになった。
偽物の婚約者だというのに、彼は忙しい最中にも私のことを想ってくれていた。なのに私は自分のことばかりを気にして、大事な気持ちを伝えずにいじけてばかりだった。彼の役に立ちたい、そう思っていたのに、全く違うことばかりを考えていた。
「全然……知りませんでした。忙しくて連絡してはいけないものだと……」
「副社長は本当に大切な方には非常に不器用な態度しかとれないようですね。都筑様を驚かせたかったのもあると思いますが、一日に何度もスマートフォンを確認されては溜め息を吐かれてました」
内緒ですよ、と笑いながら柿元さんが言う。目頭が熱くなるのがわかる。
ああ、どうしよう。私は彼がとても好きだ。どうしてもっときちんと連絡しなかったのだろう。どうしてもっと早く一歩踏み出さなかったのだろう。姉の言う通りだ。
「ですがこうなってしまった以上、今回のパーティーは社長に全ての指揮をお願いいたします。あらぬ憶測が拡がってしまったり、多少のマイナスイメージは避けられないかもしれませんが、副社長のお身体が一番大切ですので。新サービスのお披露目は延期にせざるを得ません。私は一旦会社に戻りますので、都筑様は副社長の傍にいてくださいませんか」
一瞬、悔しそうな表情を浮かべ、私に告げる柿元さん。
「都筑様をエスコートなさる準備も進めてらっしゃったんです。とても楽しみにされていたんですよ」
そんな話は初耳だ。
「え、でもっそんな大々的なパーティーに私なんかが……」
「大事な自慢の婚約者だからと仰ってましたよ」
ゆったりと私に皆まで言わせず、柿元さんが微笑む。その言葉に泣きそうになった。
偽物の婚約者だというのに、彼は忙しい最中にも私のことを想ってくれていた。なのに私は自分のことばかりを気にして、大事な気持ちを伝えずにいじけてばかりだった。彼の役に立ちたい、そう思っていたのに、全く違うことばかりを考えていた。
「全然……知りませんでした。忙しくて連絡してはいけないものだと……」
「副社長は本当に大切な方には非常に不器用な態度しかとれないようですね。都筑様を驚かせたかったのもあると思いますが、一日に何度もスマートフォンを確認されては溜め息を吐かれてました」
内緒ですよ、と笑いながら柿元さんが言う。目頭が熱くなるのがわかる。
ああ、どうしよう。私は彼がとても好きだ。どうしてもっときちんと連絡しなかったのだろう。どうしてもっと早く一歩踏み出さなかったのだろう。姉の言う通りだ。
「ですがこうなってしまった以上、今回のパーティーは社長に全ての指揮をお願いいたします。あらぬ憶測が拡がってしまったり、多少のマイナスイメージは避けられないかもしれませんが、副社長のお身体が一番大切ですので。新サービスのお披露目は延期にせざるを得ません。私は一旦会社に戻りますので、都筑様は副社長の傍にいてくださいませんか」
一瞬、悔しそうな表情を浮かべ、私に告げる柿元さん。