アイラブ☆吾が君 ~恋する淑女は、十二単で夢を舞う~
十一時。目的の博物館に着いた。

「ここなんですね」

「うん」

博物館を見上げたりキョロキョロと見回したりと飛香は跳ねるように元気だが、洸のほうは既にヘトヘトだった。

――疲れた……。

飛香は都会を歩く人の動きに慣れていない。
人の間を上手くすり抜けることができない飛香を庇うように歩き、揺れる地下鉄の中でバランスを崩す飛香の靴に踏まれ、うっかり目を離すと得体のしれない勧誘に捕まりそうになっている飛香を連れ戻す。

予想以上に子守りは大変だった。

むしろ本当に小さな子供なら、抱いて歩けた分楽だっただろう。

――あれか? わかってるから碧斗は歩かせなかったのか?

だとしたら読みが甘かったと言わざるをえない。
洸は頭を抱えながら、昼食を済ませたらタクシーでまっすぐ家に帰ろうと心に誓った。
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