アイラブ☆吾が君 ~恋する淑女は、十二単で夢を舞う~
――え?

飛香の電話に洸が軽く衝撃を受けたと同時に、軽く肩を叩かれた。

振り返ると……。

――アラキ?

そこにいたのはケン・アラキ。
元は日系ブラジル人。と言っても両親ともに日本人なので、今の国籍のとおり、どこからどう見ても日本人である。

西園寺家の執事だ。

ふたりはその場から離れて、ロビーに向かった。

「帰ってくるとは聞いてなかったけど?」

「急な用事ができましてね。それに、魅力的なお客さまが来ていると聞いたものですから、お会いしておかないと」

「なんだ、そのチョビ髭は。ペテン師度が増してるぞ」

クスクスとアラキが笑う。

「どうにも若造に見られるものですからね。苦肉の策ですよ」
< 104 / 330 >

この作品をシェア

pagetop