アイラブ☆吾が君 ~恋する淑女は、十二単で夢を舞う~
そんなことを思いつつロビーに戻ると、一角にある売店が目に留まる。

見るとはなしに土産物を眺めるうち、ステンレスのプレートに写る自分と目が合った。

――そんなに疲れた顔してる?
自分に問いかけてみたが、『さあ?』と気のない返事が返ってくるだけだ。


頃合いを見計らって、あらためて展示スペースに行くと、飛香はちょうど平安時代の展示物の前にいた。

じっと何かを見つめている。

さっきの電話を耳にしたせいか、飛香の横顔は少し違って見えた。

――どこか悲し気だな

ふいに思い出した。

すっかり忘れていたが、飛香の神秘的な部分。
今の横顔がまさにそれだった。
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