アイラブ☆吾が君 ~恋する淑女は、十二単で夢を舞う~
そんな飛香を見ていた洸は、心の中で思っていた。

――不思議な危うさだ。

魂が静かに揺さぶられるような、飛香の弾く琴の音を思い出す。

今、無心で食事を楽しんでいる飛香からは想像もできないような“音“だが、さっき博物館で見た彼女の横顔は、響く琴の音を彷彿とさせた。

――わすれられた曲名……。

それなら、僕がつけてあげよう。

曲名は『見果てぬ夢』

――遠く手を伸ばしても、決して届くことはない。切ない夢。

ふいに、嵐の草原でただひとり、空を見上げる飛香が思い浮かぶ。

この子はこれから、どうやって生きていくんだろう? ふと、そんなことを思った。
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