アイラブ☆吾が君 ~恋する淑女は、十二単で夢を舞う~
その夜、飛香はいつものように日記を書こうとして机に向かい、
今日一日を振り返った。

日記を書くことは平安の都にいた頃からの習慣であるが、今は、ここに戻ってくるかもしれない“本物の飛香”へ向けての報告になっている。

『今日は楽しかった』

小筆を取り、するするとその一行を書いた。

――西園寺洸さんは、光源氏のように多くの若い女性にとって特別な人なんだと思う。

そう思いながら、一旦筆を置いた。

一緒に歩いていると本当によくわかる。

女性たちはみんな彼を見ていた。
瞳を輝かせ頬を染めて、時には囁きあいながら名残惜しそうにすれ違っていく。
見た目が素敵なだけじゃない。

――とても優しい人だ。
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