アイラブ☆吾が君 ~恋する淑女は、十二単で夢を舞う~
兄の同級生たちが写る写真の中にその彼を見つけ、『彼』の名前を知ったと日記には書いてあったのに、何故か肝心なその名前は書いていなかった。

飛香の日記に登場する男性は、家族を除いてはその『彼』だけである。

たまに告白をされたり、交際を申し込まれることはあったようだが、それらについていい印象を受ける書き込みはない。
あの日パーティ会場で見た時は『荘園の君』?と驚いたが、“飛香の日記”のことまでは気がまわらなかった。

もし運命が変わらないのであれば。
――“飛香”も私と同じ人に恋をしたの?

だとしたら。
それは、悲しい恋に違いなかった。

二度と戻ってこれないかもしれないのに、ここで生きる道を捨てたのだから。

『朱鳥は、生きる時代を間違えてしまったのかもしれない。あと千年』平安の都で兄の蒼絃はそう言った。

――兄君、同じ運命でもここに来た意味があるのですか?

それとも運命は変えられるのですか?
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