アイラブ☆吾が君 ~恋する淑女は、十二単で夢を舞う~
ポツンと玄関に残された鈴木に、アラキが笑いをこらえるようにして囁いた。
「わたしが洸さまにしてあげれることは、せいぜいここまでです」
「これから毎日、昼は帰ると言い出しそうで怖いです」
「そうかもしれませんね。休暇を餌に、なんとかがんばってください」
「――飴と鞭、ですか」
「なにしろ今までずっと仕事一筋でしたから。私はよかったなと、ある意味ホッとしています」
前を歩くふたりを見つめながら、アラキがしみじみと言った。
――え?
「若には、どこまでも幸せであってほしいですからね」
誰がその言葉を否定できるだろう。
その言葉が鈴木の胸にグサリと刺さった。
彼が恋に落ちたら見物だと笑っても、それは有り得ないと確信した冗談に過ぎなかった。
西園寺洸は、どこまでも冷静な司令官のままでいなければならず、恋など鼻で笑うくらいが丁度いいと、それが本音だったのではないか。
「わたしが洸さまにしてあげれることは、せいぜいここまでです」
「これから毎日、昼は帰ると言い出しそうで怖いです」
「そうかもしれませんね。休暇を餌に、なんとかがんばってください」
「――飴と鞭、ですか」
「なにしろ今までずっと仕事一筋でしたから。私はよかったなと、ある意味ホッとしています」
前を歩くふたりを見つめながら、アラキがしみじみと言った。
――え?
「若には、どこまでも幸せであってほしいですからね」
誰がその言葉を否定できるだろう。
その言葉が鈴木の胸にグサリと刺さった。
彼が恋に落ちたら見物だと笑っても、それは有り得ないと確信した冗談に過ぎなかった。
西園寺洸は、どこまでも冷静な司令官のままでいなければならず、恋など鼻で笑うくらいが丁度いいと、それが本音だったのではないか。