アイラブ☆吾が君 ~恋する淑女は、十二単で夢を舞う~
洸は優しかった。

その唇も指先も、絹のように優しく滑らかに飛香を誘い、心を溶かしてしまう。

飛香はただされるがまま洸を信じ、夢中でしがみついた。

一瞬一秒でも離れたくない。
ほんの少しの間唇が離れてしまうだけで、悲しくて切なくて堪らなくなる。

いつの間にこんなに好きになってしまったのか飛香にもわからなかった。

どこかで芽吹いた恋の蕾み。
その恋の花は美しい夜景の中で咲き乱れ、心は甘い蜜を滴れさせている。

それでももし、本当にいいの?と聞かれたら、止められたかもしれないと思った。

でも洸は、何も飛香に確認することはなかった。

「愛してるよ、飛香……。飛香がいればなにもいらない」

洸が口にしたのは、飛香への愛の言葉だけだった。
< 311 / 330 >

この作品をシェア

pagetop