アイラブ☆吾が君 ~恋する淑女は、十二単で夢を舞う~
ーーあんなに幸せな夜だったのに……。
幸せは、長くは続かないようにできている。
なぜなら、幸せに慣れてしまわないようにだ。
あぁ悲しいかな、愚かな人間は慣れてしまうと幸せすら見失ってしまう。
だから幸せは、小出しにされるのであるーー。
そんな哲学めいたことを思いながら、洸はため息をついた。
「――はぁ」
書類から顔を上げた鈴木が眼鏡に手をかけて、しげしげと上司を見つめた。
応接セットのソファーの背もたれに体を投げ出して横を向くその姿は、どう見てもふてくされている。
――お気に入りのオモチャを取り上げられた子供のようじゃないですか。
とは、言えない。仮にも彼は鈴木の上司だ。
「大丈夫ですか?」
そう聞いてみたが、洸は自分がため息をついたことすら気づかなかったのだろうか?不思議そうに鈴木を見た。
「え? いや別に、なんでもないよ」
「そうですか?ならいいのですが、深いため息だったので」
ーーなるほど、そんなため息が漏れていたのか。
妙に納得した洸は、真面目な顔をして「それは申し訳なかった」とあやまった。
洸が誕生日である月曜日に休みをとってから、二週間が過ぎている。
幸せは、長くは続かないようにできている。
なぜなら、幸せに慣れてしまわないようにだ。
あぁ悲しいかな、愚かな人間は慣れてしまうと幸せすら見失ってしまう。
だから幸せは、小出しにされるのであるーー。
そんな哲学めいたことを思いながら、洸はため息をついた。
「――はぁ」
書類から顔を上げた鈴木が眼鏡に手をかけて、しげしげと上司を見つめた。
応接セットのソファーの背もたれに体を投げ出して横を向くその姿は、どう見てもふてくされている。
――お気に入りのオモチャを取り上げられた子供のようじゃないですか。
とは、言えない。仮にも彼は鈴木の上司だ。
「大丈夫ですか?」
そう聞いてみたが、洸は自分がため息をついたことすら気づかなかったのだろうか?不思議そうに鈴木を見た。
「え? いや別に、なんでもないよ」
「そうですか?ならいいのですが、深いため息だったので」
ーーなるほど、そんなため息が漏れていたのか。
妙に納得した洸は、真面目な顔をして「それは申し訳なかった」とあやまった。
洸が誕生日である月曜日に休みをとってから、二週間が過ぎている。