アイラブ☆吾が君 ~恋する淑女は、十二単で夢を舞う~
「はぁ? どういう意味だ?」

「変わらないってお前も言ったじゃないか。千年前だろうが千年後だろうが、僕は変わらない。西園寺洸の根幹は何も変わらないんだ。わかるか?」

碧斗が眉をひそめる。

「千年前でも僕が好きだったのは。愛したのは、飛香だってことだよ」


『やかましいな』
その声にハッとして振り返ると、青銅の鏡に蒼絃が浮かび出ていた。

「ようやく現れたな陰陽師。その世界のアスカは今どうしてる? 出し惜しみしてないで見せてもらおうか」

『お前には関係ない』

「じゃあ聞こう。お前はどうして蘭々を見せて、アスカを見せなかったんだ?」

『さあ』

「とぼけるな。飛香を苦しめて何が楽しい? え? 何故十月まで待たせるんだ」

『ひと月もすれば熱など冷める。
無駄な情熱だったと気づくだろう。所詮恋などその程度のものだ。過ぎてしまえば嵐と同じ。何も残らない。
朱鳥の初恋もそうだった。最初は辛かっただろうが、しっかりと乗り越えた。それと同じだ。お前のことも忘れる』

洸は一瞬黙って、それからゆっくりと口を開いた。

「そうかもしれない。だからって見えない未来に何の意味がある?」


洸と蒼絃の会話聞いているのは、碧斗だけではない。
突然押しかけてきた洸の登場に戸惑い、出るに出れないでいる飛香も、襖を隔てて耳を澄ませていた。


「悪いがアオト、僕にとっては過去も未来も関係ない。
今この時が重要なんだよ。クサい言い方だが生きているのは今なんだ。未来も、今この瞬間の中にある、そう思っている。僕は飛香を愛している、飛香も僕を愛している。それが全てなんだよ」
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