アイラブ☆吾が君 ~恋する淑女は、十二単で夢を舞う~
「ワインは飲まないの?」
「は、はい」
「お酒は飲めないの?」
「はい。弱くて……」
「そう。お兄さんは強いのにね」
夫人と話をしている時とは打って変わって、「はい」と答える飛香の声は、消え入りそうに小さい。
ケーキの観察に夢中だったついさっきとも一転して、居心地の悪さが全身から漂っている。頬はこわばり、肩に力が入っているのが洸の目にも明らかだった。
「温かいココアでも飲む?」
そう言いながら呼び鈴に手をかけようとすると、飛香は「い、いえ、大丈夫です」と慌てて腰を浮かせかけた。
「あ、ありがとうございます。すみません」
飛香に座るように促して、洸は飛香と話をすることにした。
話せば謎の理由が少しはわかるかもしれない。それに不謹慎とは思いつつも、記憶喪失ということへの興味もある。
「は、はい」
「お酒は飲めないの?」
「はい。弱くて……」
「そう。お兄さんは強いのにね」
夫人と話をしている時とは打って変わって、「はい」と答える飛香の声は、消え入りそうに小さい。
ケーキの観察に夢中だったついさっきとも一転して、居心地の悪さが全身から漂っている。頬はこわばり、肩に力が入っているのが洸の目にも明らかだった。
「温かいココアでも飲む?」
そう言いながら呼び鈴に手をかけようとすると、飛香は「い、いえ、大丈夫です」と慌てて腰を浮かせかけた。
「あ、ありがとうございます。すみません」
飛香に座るように促して、洸は飛香と話をすることにした。
話せば謎の理由が少しはわかるかもしれない。それに不謹慎とは思いつつも、記憶喪失ということへの興味もある。