アイラブ☆吾が君 ~恋する淑女は、十二単で夢を舞う~
西園寺洸は人の心を掴むことに長けている。

本人がそれを意識しているかどうかは別として、その端正な顔に柔らかい微笑みを浮かべれば、大抵の女性は無条件で心を許すのが普通だ。

何しろ彼は、見目麗しい上に、品行方正な御曹司なのだから。

「まぁどうせ、そう話す機会もないだろうし別にかまわないけどね。夕食の時間に帰れなさそうな時はマンションの方に帰ると言っておいたし。もう会うこともないかもしれないな」

さほど気にする様子も見せない上司に、鈴木はフッと苦笑いを浮かべた。

嘘偽りなく、彼はそうするだろう。
藤原碧斗が大事な妹を預ける先に、西園寺家を選んだだけのことはある。うら若き美人が家にいようがいまいが関係ない。どこまでもマイペースを貫くのが西園寺洸なのだから。
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