きみと1番目の恋

作ったばかりのジントニックを
私の目の前に置くと
はぁっと短いため息をついた。

郁人「俺ん家来ればいいんじゃない?」

翼「え?」

郁人「今日、部屋決めて
明日引っ越そうなんて無謀でしょ。
じっくり、翼さんの住みたいと
思える部屋を見つけてから
引っ越しても遅くはないんじゃない?
それまで俺の家にいればいいよ。」

翼「でも、それじゃ...」

郁人「俺に迷惑かけるのが
そんなに嫌?彼氏なのに。」

彼氏でも。友達でも。家族でも。
誰にだって迷惑はかけたくない。

1人で生きなければならない
30目前の女が大学生の彼の
部屋に転がり込むだなんて有り得ない。
< 279 / 387 >

この作品をシェア

pagetop