きみと1番目の恋
翌日、私は郁人くんの部屋へと
引っ越した。郁人くんから
預かった鍵で扉を開けると
必要最低限の物以外ない
シンプルな空間が広がっていた。
引越し業者が運び入れてくれた
荷物を1つずつ紐解いていく。
どちらかと言えば私は
物が多い方の人間だ。
山積みになった段ボール箱を見て
郁人くんが嫌にならないだろうかと
少しだけ心配になった。
捨てられる物は捨てて
出来るだけ、郁人くんの
生活の邪魔にならないようにと
丁寧に物を仕分けていると
玄関の扉が開いた。