きみと1番目の恋

シャワーを浴び終えた武彦は
何事もなかったかのように
スーツの袖を通す。

武彦「翼の好きなワイン
買ってきたから
冷蔵庫に入れておくぞ。」

翼「うん、ありがとう。」

武彦「じゃあ、また来るから。」

翼「うん。気をつけて。
おやすみなさい。」

ーガタン

私はいつも武彦の背中を
追いかける事ができない。

泣いて縋りついたって武彦が私の願いを
聞いてくれる事はないと分かっているから。

ひとりぼっちの部屋が嫌で
服を着替え外に出た。

どうしてそう思ったのかは分からない。

無性に郁人くんに会いたかった。
< 45 / 387 >

この作品をシェア

pagetop