きみと1番目の恋
シャワーを浴び終えた武彦は
何事もなかったかのように
スーツの袖を通す。
武彦「翼の好きなワイン
買ってきたから
冷蔵庫に入れておくぞ。」
翼「うん、ありがとう。」
武彦「じゃあ、また来るから。」
翼「うん。気をつけて。
おやすみなさい。」
ーガタン
私はいつも武彦の背中を
追いかける事ができない。
泣いて縋りついたって武彦が私の願いを
聞いてくれる事はないと分かっているから。
ひとりぼっちの部屋が嫌で
服を着替え外に出た。
どうしてそう思ったのかは分からない。
無性に郁人くんに会いたかった。