きみと1番目の恋
一生懸命、黙々と作業する郁人くんの
横顔にほんの少しだけドキッとした。
知らない顔を見たとでも言うのかな?
郁人くんもこんな表情をするんだって
突然、彼が男の人に見えた。
郁人「翼さんはこの仕事が
好きなんだね。」
段ボール箱2箱分を終えた頃
集中力が切れたのか手を止めた
郁人くんはシールを貼ったばかりの
商品を手に取った。
翼「希望した部署とは違ったけどね。」
郁人「違ったって?」
翼「本当はイベント企画部で
働きたかったの。自分の目で
お客様の笑顔を見る事が出来る。
そうゆうのって何かいいなって。
もちろん、今の仕事も嫌いじゃないけど
やっぱり生の声は聞こえてこないから。」