真の魔性の女は、色気がない

 何だって、どういうことだ!
ミエちゃんが、不倫だなんて!
後藤さんとは、社長の娘の旦那さんだ。
この会社の営業リーダーだ。

 更に会話が続いている。
「ミエちゃんって大島と付き合ってないの?なんかスキー場に行ったんでしょ、ふたりで。」
いきなり、僕の名前が出てきた。
「そうみたいだけど、付き合ってはいないと思うよ。多分、カムフラージュだよ、不倫隠すための。」
「うわー、ミエちゃんって結構腹黒。」
「ああ、でもそれ、私、解る気がする。だって、あの人、誰にでもいい顔するじゃん。なんか、八方美人過ぎて、胡散臭くない?なんか絶対に信用出来ない。」
「まぁそうだけど、上辺だけの付き合いだったら、害は無いから、いいんじゃない?」
「そうなんだけどさー」


< 12 / 20 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop