テレビの感想文
彼女は、車いすに乗り、呼吸器をつけている。脊髄性筋萎縮症Ⅱ型(SMA type 2)という、筋肉が徐々に衰えていく進行性の難病で、
自分一人で歩くことはできない。24時間の重度訪問介護を受け、自立した生活を送っている。

日本酒が大好きで、呼吸器をつけていても飲酒ができる、と彼女自身のエピソードトークで初めて知った。

いつか、好きなお酒をいっぱい並べて、飲み比べがしたいと言っていた。

ただ、彼女はもうこの世にいない。2021年12月、急逝。44歳。

番組で彼女を見ていたとき、「かわいそう」と思うことがなかった。それに気づいたとき、車いすの人はかわいそうだ、という自分の中にある、固定観念に気づかされた。

障害のある人や病気の人は、かわいそう、大変そう。そうやって、この人は「〇〇だ」と思う。実際に、会って話したことがあるわけじゃないのに。

だから、彼女を「明るい」と思ったこともそう。
「意外だ」とか、「こんな人もいるんだ」と違和感や驚きとして受け止めてしまう。

車いすユーザーに明るい人はいない? そんなことはない。

想像には限界がある。間違っていたり、誤解することもある。だったら、当事者の人が思ったことを本人の口から聞くのが、一番いいのでは。
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