一途な御曹司と極あま初夜事情~クールな彼は独占欲の塊でした~
その時、ぶわっ!と過去の会話が蘇った。
『スランプから抜けだせなくてどん底に陥っていた時、励ましてくれた子がいたんだ。』
『そこの子がいたから、かな。…自分で言うのもなんだけど、ちょろい男だよ。』
初めて二人で外食した日に、彼が言っていた言葉。まさか、それが私だったなんて。
五年も前だよ?樹さんのことをよく知っていたわけでも、会社の事情を知っていたわけでもない。
そんな私が偶然入れたカフェラテが、あの人の人生を変えたって言うの?
黙々と料理を食べていた彼が、私に問いかけてきた姿が思い浮かぶ。
『学生の時はカフェでアルバイトしてたんだもんね。』
『えっ!なぜそのことを?!』
『面接の時、言ってたでしょ。』
『社員全員分の面接内容を覚えてるんですか?』
『まさか。化け物じゃあるまいし。……たまたま覚えてただけだよ。』
あの嘘つき御曹司…!なにが、たまたま、だ。雑誌のインタビューで語るくらい、全部はっきり覚えていたんじゃないか。
かぁっ!と体が熱くなったその時、続きの言葉が目に入る。
ーーなるほど、それがお二人の馴れ初めなんですね。
『いや、馴れ初めというか…。きっと、彼女は覚えてないと思います。僕が彼女に一目惚れしただけなのでーー…』