一途な御曹司と極あま初夜事情~クールな彼は独占欲の塊でした~
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“都合がいい時、連絡して”
瀬戸から返事が来たのは、昼休憩の時だった。
ピコン、と通知が鳴る。
“今なら、いい”
そう答えた彼に、私は意を決して文字を打ち込んだ。
“昨日の返事、させてほしい”
既読の文字がついた途端、どきん、と胸が鳴った。
…言わなければいけない。樹さんに会う前に、ちゃんとけじめをつけるべきだ。
“出来れば、会って話したい”
そう、打ち込んだ瞬間だった。
ブブブ
急に現れる着信画面。表示されたのは瀬戸の二文字である。
一瞬、動揺が走るが、ごくり、と喉を鳴らして緑のボタンを押す。
「も、もしもし。」
『俺だ。悪い、すぐに仕事に戻らなくちゃならなくて。…電話でいいか。』
「あ…、うん。」
電話越しの彼の声は、いつも通りのトーンだった。だが、わずかに漂う緊張感。
耳元で聞こえた瀬戸の声に、今さら、言葉が出ない。指先が震えて、なんと切り出せばいいか分からない。
傷付けない振り方なんて、ない。
いくら言葉を選んだところで、私が今からすることは、最低だ。
…と、次の瞬間だった。
『桜庭。気なんか使うな。』
「!」
『気持ちが決まったから、俺に連絡したんだろ。』
強い声。ブレない瀬戸の言葉に、私は息を吸い込んだ。
「ごめん。」
『!』
「私は樹さんが好き。瀬戸の気持ちには答えられない。」