一途な御曹司と極あま初夜事情~クールな彼は独占欲の塊でした~
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ーー午後九時。
私は、見慣れたスイートルームで彼のことを待っていた。
仕事終わりに支配人室を訪ねると、書類の束に囲まれていた桐生さんから「久我マネージャーは今日は外回りですよ。確か、直帰だったはずです。」と告げられた。
“会えませんか”
その一言だけ、LINEで送る。
すると、樹さんの返信は秒だった。
“わかった”
“今夜、スイートルームに行く”
私は、昨日この部屋を出たばかりなのに。まさか、またここに戻ってくるとは思わなかった。
コンコン
「!」
ノックの音だ。どくん!と体が跳ねる。
騒ぎ出す胸。必死に深呼吸をした私は、怯む足を運び、扉を開けた。
「「…!」」
その先に立っていたのは、待ち望んでいたスーツの彼。喧嘩別れした昨夜の記憶が一瞬頭をよぎる。
二人の視線が交わり、お互い、何も言えない。
「…入っていい?」
「は、はい…」
部屋の中へ通すと、スーツのジャケットを脱いだ彼は、静かにソファへ腰を下ろした。
ぎこちなく、正面のソファへと私も座る。
「昨日は、ごめん。」
気まずい沈黙を破ったのは、彼だった。頭を下げた彼に、私は、はっ!として答える。
「謝らないでください…!樹さんは何も悪くないのに…」
「いや、俺が無神経だった。…瀬戸と会ってたって知って、余裕なくした。」
どくん…!
思いもよらない言葉に、心臓が鳴る。
今までは、何気なく聞き流していた言葉。しかし、今の私には違った響きに聞こえてしまう。
自惚れてもいいのだろうか。
それを、確かめるために呼んだんだ。