一途な御曹司と極あま初夜事情~クールな彼は独占欲の塊でした~
目を見開くと、彼は表情も変えずに言い放つ。
「あれだけ報道されちゃあ、そうするしかないでしょ。世間が落ち着くまででいいから。ホテル代はそれでいいよ。」
あまりにもさらり、と告げられた言葉。
“世間が落ち着くまで”
それって、いつまで?明確な期限なんてない。
「恋人のフリなんて、私には無理です…!」
「なんで?」
「なんで、って…!私は久我さんに釣り合うような女じゃないですし、そもそも恋愛経験が少なすぎてうまく演じきれる気がしないです…!」
「ふーん…。じゃあ、演技じゃなければいいってこと?」
「え?」
車内に沈黙が流れる。彼の切れ長の瞳が、まっすぐ私を映した。
そして、少しも迷いのない言葉が彼の口から紡がれる。
「だったら、本気で俺を好きになればいい。あんたを惚れさせてあげる。」
「!」
(な、な、何を言っているの、この人は…!)
世界で成功を収める天才は普通の人じゃないとは思っていたが、彼は想像をはるかに超える思考の持ち主だ。
本気でどうにかなると思っているらしい。
すると、彼はギシ…、とソファに手をついて私との距離を詰めた。目の前に近づく整った顔立ちに、目が離せない。
「こんな俺じゃあ不満かもしれないけど、付き合って。」