一途な御曹司と極あま初夜事情~クールな彼は独占欲の塊でした~
(…っ!!)
「しっ、してませんよ!!!!!」
「ふふ。可愛いね。」
くすくすと聞こえる小さな笑い声。
やっぱり、この人は私をからかって楽しんでるだけなんだ。
「暇つぶしでこんなことをしてるなら、やめてください…!」
「何言ってるの。本気じゃないものに構っているほど、俺は暇じゃないよ。」
久我ホールディングスの御曹司のセリフだけに、納得してしまう。たしかに、この人は一般人よりはるかに多忙だ。
言いくるめられて、むぅ…、と押し黙ると、彼はぽんぽん、と私の頭を撫でた。しかし数秒後、ぴたり、とその手が止まる。
「コンビニの弁当で夕食を済ませたの?ルームサービス、好きなのを頼んでいいのに。」
「いえ、そこまでしてもらうわけには…。ここに住んでいる間もお給料は頂いているわけですし。」
「揺らがないねぇ。この部屋で暮らすことになったのは俺の巻き込み事故が原因なんだし、少しは甘えなよ。」
確かに、突然キスされてスキャンダルで報道されて、私にとっては巻き込み事故だ。
しかし、ウン十万円のスイートルームを用意してもらっただけで充分すぎる待遇である。それに、これ以上、変に借りを作るわけにもいかない。
すると、そんな私の心中を察したような彼は、小さく目を細めて息を吐いた。