一途な御曹司と極あま初夜事情~クールな彼は独占欲の塊でした~
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それからというもの。
彼は夜の九時ごろにマメに私の部屋に通ってくるようになった。
本当に忙しいはずなのに、無理にでも時間を作って来てくれているようだ。会話の最中に電話が鳴り、十分程度で帰ってしまう日もあった。
そんなに私を気遣わなくていいのに、なんて思いながらも、彼の気持ちは邪険にできない。
そして、初めてスイートルームに泊まった日から二週間が経ち、私が彼のことを樹さんと呼ぶことに抵抗がなくなった頃。
退勤直後の私の元に、彼から一本のLINEが入った。
“いまドコ?”
更衣室を出たばかりだった私は、スイートルームのエレベーター前で彼に返事をする。
すると、瞬時に既読がついた。
“ホテルのエントランスまでおいで。”
(?外に出て来いってこと?)
眉を寄せながらも彼の指示に従ってロビーに出る私。綺麗に磨かれた自動ドアをくぐると、スーツに身を包んだ彼が立っていた。
「ん。お疲れ。」
相変わらず、表情が微動だにしない。さらり、と声をかけてきた彼に、おずおずと尋ねる。
「一体、なんの用ですか?わざわざ呼び出すなんて。」
「美香、ご飯まだでしょ?一緒に食べようと思って。」
(え…っ!)