一途な御曹司と極あま初夜事情~クールな彼は独占欲の塊でした~
「樹さんはすごいですね。」
無意識にぽつり、と呟くと、彼は、ふっ、と笑った。
「俺は、そんな褒められるような人じゃないよ。君の前では御曹司でも総支配人でもない、ただの男なんだからさ。」
「…!」
私に見せているのは、飾らない素の表情。プライベートの彼の時間を共有するのが、私なんかでいいのだろうか。
なんだか、特別扱いされているみたいでそわそわする。
その時。コト…、とグラスを置いた彼が、ふと私に尋ねた。
「そういえば、今日は飲まないの?」
ちらり、とメニューを見ると、ドリンクのページが開かれている。
「えっと…樹さんは車ですし、私だけ飲むのもアレかなって思って。」
「いいよ、俺のことは気にしなくて。何飲みたい?」
「んー…じゃあ、とりあえずビール…」
「ふふ。…おっさん。」
「!さ、サワーで!ピーチサワー!」
くすくすと笑った彼は、「うそうそ。ビール頼も?」とタッチパネルを操作する。つい、恥ずかしくなって俯くと、優しげな彼の声が聞こえた。
「これからも、俺の前では好きなの飲んでいいよ。…でも、他の男の前では酔い潰れたりしないで。」
「え?」
ふっ、と顔を上げると、頬杖をついた彼が、まっすぐ私を見つめていた。
「ベロベロになったあんたが他の男に手ぇ出されたらヤダから。」
「そ、そんな無茶な飲み方しませんよ…!別にお酒が弱いわけじゃないですし。」
「あの夜、意識飛ぶほど酔っ払って俺にお持ち帰りされといて何言ってんの。」
「…っ!」