一途な御曹司と極あま初夜事情~クールな彼は独占欲の塊でした~


ぐいっ。


(!)


その時。不意に後ろから肩を引かれた。そこに立っていたのは、冷ややかな目をした久我樹。

静かな怒りを宿したような視線の先には、本人が現れて動揺した記者の男性が震えていた。


「…彼女だけなら情報が盗みやすいとでも思いましたか。俺の記事を書くなら公式なアポを取り、俺本人に直接聞け。」


低く鋭い彼の声がトドメを刺す。


「今後、彼女を付け回し、名誉毀損になるようなあることないことを記事にしたら…こちらもそれなりの対応で潰させていただく。」


(…!)


記者の男は顔を歪め、ぎこちなく頭を下げて夜の町へと消えていった。

冷ややかな視線でその背中を見送った彼は、ふぅ、と息を吐いて私を見る。


「大丈夫?」


「…!はい。」


いつもの声色に戻った彼は、すっ、と私の肩から手を離した。そして、安堵したようにぽつり、と呟く。


「びっくりした。店を出たら、美香が記者にタンカ切ってるんだもん。」


「!す、すみません。つい。」

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