ワケあり同士による華麗なる政略結婚
「似合わない格好してきてしまった事なら謝ります。ですから、、離してくださいっ!」
早く彼から離れたくて、未だに顎を掴んだままの彼の手を両手で掴むと逆に手を掴まれた。
そして彼は大きめの溜息を吐いた。
『だからそうじゃない。本当に自分の事は何も分かってないやつだな。、、逆だ。その格好も化粧もお前を更に際立たせている。只でさえ、綺麗な顔立ちをしているからな。余計に目を引いたんだ。お前に声を掛けたあの男もあわよくばとでも思ったんだろ。あれは完全にナンパだ。お前、、それにも気づいてなかったのか?」
「何を、、言って、、?だってあの男性は少し強引な感じだったですけど、ご親切に私を案内しようとして下さっただけで、、。」
彼の言葉に困惑してしまう。
『だからそれ、、完全に下心ある奴のやり口だろ。つーか、、言えば良かったんだ。俺の妻だって。何で言わなかった?』