ワケあり同士による華麗なる政略結婚
全身を舐めるような視線が怖い。
でもそんな視線に負けないように、小さく深呼吸をして前を見据えた。
「、、初めてお目にかかります。本宮美麗と申します。宜しく御願い致します。」
彼と同じ苗字を名乗るとくすぐったい気持ちになって、つい笑みがこぼれた。
すると周りがザワザワと騒がしくなった。
「美麗さんとおっしゃるんですね!お連れの方はいらっしゃいますか?まだでしたらウェルカムドリンクを一緒にいかがですか?」
「どちらの会社にお勤めですか?」
「このパーティーの後ご予定はありますか?!なければご一緒しませんか?」
「いやいや、それよりも恋人は?」
普段見ない顔の私がそんなに珍しいのか矢継ぎ早に質問され、困ってしまう。
特訓の甲斐あってこんなに異性に囲まれても発作は起こらないが、怖さが全くないわけではない。
それにちゃんと彼と同じ苗字を名乗ったのに、既婚者であると思われていない。