ワケあり同士による華麗なる政略結婚
それがなんだか悲しくて、泣きそうになってしまう。
ここで泣いて逃げ出せば、弱い自分のまま。
そんな自分から変わりたいと思ったのは私自身で、自分を変えられるのも私だけ。
目を閉じると、大好きなマコちゃんの言葉が背中を押してくれる。
そして優しい表情をした彼が思い浮かぶ。
〝真っ直ぐ前だけ見て笑え〟
ゆっくりと目を開け、微笑みながらもう一度頭を下げた。
「本宮ホールディングスの本宮誠也の妻で本宮美麗と申します。旧姓は藤原美麗です。父や兄達、そして主人が大変お世話になっております。どうぞ、宜しく御願い致します。」
私の挨拶に会場は騒然としている。
会場の視線が一気に集まって、逃げたくなるほどの恐怖が襲ってきて手先が震えてしまう。
でもグッと拳を握って、笑顔は絶やさない。
「恥ずかしながら、、こういった場に出るのは初めてでして、、宜しければ、以後お見知り置きを。」