ワケあり同士による華麗なる政略結婚
恐怖のあまり目を瞑り後ろに一歩下がると、何かに当たった。
そして振り下された筈の大きな手が一向に下りてこない。
疑問に思って目を開けると、男性の手首を掴んでいる更に大きな手。
そして後ろに感じる温もり。
「っ、、、!」
この大きな手も背中に感じる温かさも、私の知っているもので思わず我慢していた涙腺がホッとしてつい緩んでしまう。
そんな私に気づいた彼は、男性の手首を掴んでいない方の手でギュッと引き寄せてくれた。
その温かさに思わずしがみついた。
『私の妻に、、乱暴な事をするのは止めていただけませんか?』
低くて怒りの篭った彼の言葉に、男性の表情は一変し真っ青になった。
ピリついた空気を破ったのは、焦ったように近づいていた男性で盛大に頭を下げた。
「っわたくし、、弓削コンサルタント、代表の秘書をしておりますっ橋本と申します。社長の弓削が大変失礼いたしましたっ、、!アルコールが入ると行き過ぎた行動を取る事が稀にありましてっ、、!本日は交友の場、、それに免じて、、どうか許していただけないでしょうか、、?」