ワケあり同士による華麗なる政略結婚
言葉にすると感情が次から次へと溢れてきて流れる涙を止められない。
「あんなに特訓したのに会場に入った途端、大勢の人の視線がやっぱり怖くて逃げだしそうになりました。」
『まぁ、お前のその姿を見れば自然と目がいくのは仕方ないと思うが。でもお前は逃げなかった。よく、、頑張ったな。』
あまりにも泣き顔が酷かったのか、向かい合うように抱きしめられスーツ越しでも分かる彼の逞しい胸に顔を押し当てられた。
「それからっ、、自分の招いた事なんですが、誠也さんの妻だと信じてもらえなくて悔しかったですっ、、!」
『初めて公の場に出たんだ。仕方ないことだろう。例え誰も信じなくともお前は、、美麗は間違いなく俺の妻だろ。だからもっと堂々としていればいい。』
まるで子供をあやすように、ポンポンと後頭部を優しく叩かれ自然と涙も止まった。
初めて名前を呼ばれた気がして、彼を見上げる。