ワケあり同士による華麗なる政略結婚
すると抱きしめられていた力が緩んで顔を覗き込まれた。
『ようやく泣き止んだか?紹介しておきたい相手が山程いる。、、さっさと片付けるぞ。』
「はいっ!」
優しく目を細める仕草に胸がきゅっと高鳴って、胸を手で抑えながら俯くと耳をくすぐる彼の声がした。
「、、、いくぞ、美麗。」
再び腰を引かれ寄り添うように抱き寄せられ、見つめられた。
一度目は気のせいだったかもと思ったが、今度は間違いない。
初めて名前を呼んでもらえた。
今まではアンタかお前だったのに。
好きな人に名前を呼んでもらえるのが、こんなに嬉しいなんて知らなかった。
「っ、、はいっ!誠也さんっ、、!」
嬉しさがこみ上げて頬が緩むのを抑えられず、声のトーンも自然と上がる。
そんな緩みきった表情を浮かべているであろう私と彼の目が合うとゆっくりと彼の顔が近づいてきて触れるだけのキスが落とされた。