ワケあり同士による華麗なる政略結婚
そんな目に合っておきながら、家族の為に恐怖の対象でしかない見ず知らずの男と結婚しようと思えたあいつの心の強さに胸が締め付けられる。
そして同時にその男達に殺意さえ芽生えた。
『、、、相手の男達は、、?』
「勿論、捕まりましたよ。でも未遂だったこともあって直ぐに出てきました。、、あの事件をキッカケに体にも心にも大きな傷を負ってしまったあの子にとって、、日々の生活をおくるだけでも精一杯だったんです。それなのに結婚だなんて、、私は反対したんです。そんな自分の首を絞めるような事はするなって。でも、、あの子とても頑固でしょう、、?一度言い出したら聞かない所は昔から変わってなくて、、本当困りますよね。」
主治医は急に椅子から立ち上がり、窓から外を景色を見ながら呟いた。
「でもあの子は変わった。、、とっても強くなった。それもどうやら貴方のお陰みたいですね。」
『どうでしょうか。貰うばかりで何か与えてやれたものはないと思います、、。』