ワケあり同士による華麗なる政略結婚
するとこちらを振り返り、困ったように笑った。
「そうですか?昨日貴方から焦った声で電話をもらって、私には貴方があの子に特別愛情を注いでいるように見えましたよ。自分では気づいていないだけでちゃんとあの子に与えてるんですよ。、、だって貴方の話をする時の顔、とってもいい表情するんですよ。男性恐怖症を完治させようって頑張ったのだってきっと貴方の為。貴方に恥を欠かせないようにって必死になってリハビリしてましたから。ふふ、愛されてますね、、?まぁ、恋愛経験0のあの子は自覚なんてないでしょうから貴方が寄り添って教えてあげて下さい。そうすれば、いずれきっと治ります。」
『、、自分も対していい恋愛なんてしてきていないので、教えてやれることなんて何も、、、。』
そう呟くと、何故かクスクスと笑われた。
「まさかの貴方も自覚なし?パーティー会場にいた人の話だと相当溺愛していたって聞きましたよ?会う人会う人に随分と牽制して回っていたって。時折甘く見つめ合って見ているこっちが恥ずかしいくらいだったと。」
『、、、。』
確かに牽制して回った自覚はある。
あいつに熱い視線を向けてくる男達にイライラして、そんな男達に気づかず笑顔を向けるあいつにもイライラして強く引き寄せた。
着飾ったあいつの姿を自分以外の男の目に触れさせるのも許せないと思ってしまった。
、、、これが俗に言う独占欲か。