ワケあり同士による華麗なる政略結婚
『元々休みを取っていたから気にするな。それより俺が触れるのは、、平気か?』
伸ばした手を壊れものを触れるかのように優しく握られ、心配そうな表情を浮かべる彼。
きっとあんな事があったから、気にしてくれているのだろう。
こんなに優しい彼の事が怖いなんてあるわけないのにと触れられた手を両手で握りしめた。
「、、はい。」
小さく返事をすると、ホッとした表情を浮かべ急に抱きかかえられた。
「えっ、、、!?」
『リビングまで連れていくだけだ。』
体が彼と密着すると冷え切っていた身体が熱を持ってポカポカと心地いい。
思わず彼の首にしがみつくと彼も抱きしめる力を強めてくれた。
でもすぐにリビングのソファーに着いてしまって彼から離れ難くて子供のようにしがみつく力を強めると、私を抱えたまま彼はソファーに腰を下ろした。
「、、すみません。重い、、ですよね。」
『軽すぎだ。昨日の夜から何も食べてないんだからちゃんと食え。なんだったら食えるか?』
私を抱えたままメニュー表を器用に開き、一緒に選んでくれる。