ワケあり同士による華麗なる政略結婚
そしてテーブルの上にある受話を取り、ルームサービスを頼み終わると今度は空いた両手でしっかりと抱きしめてくれた。
「、、昨日は大丈夫だったんでしょうか。楽しい会場の雰囲気を悪くしてしまって、、皆様にも大変ご迷惑を、、。」
『大丈夫だ、お前が気にする事はない。それにうちの親もお前の親もお前の堂々とした姿に驚いて喜んでたしな、、。』
「でも最後まで頑張れませんでした、、誠也さんに恥をかかせるばかりで、、これなら今まで通り姿を見せない方がまだ良かったですよね、、。」
落ち込んで俯くと、ホテルのチャイムが鳴った。
『お前の頑張りのお陰で今朝から両企業とも取引きの電話が鳴り止まないらしい。お前が公の場に姿を見せて丁寧な挨拶回りをした事が仕事に繋がったんだ。俺はお前の頑張りを誰よりも知っている。無理を、、させたな。だから約束通り、食い終わったら出かけるぞ。』
「え?、、だってその約束は最後まで頑張れたらっていう、、。」
『俺はもう明後日まで休みを取った。久しぶりの休みを無駄に過ごせっていうのか?』
少し機嫌の悪そうな顔をしてルームサービスを受け取りに行った彼。