ワケあり同士による華麗なる政略結婚
そんな約束、無効だと思っていただけに驚いてそのまま動けずにいた。
だって好きな人と2人きりで出かけるなんてデート以外の無いものでもない。
真っ赤になって呟いた。
「でも、折角の貴重なお休みを私と過ごしても大丈夫なんですか、、?ここ最近、とてもお忙しそうでお疲れではないですか?」
するとルームサービスを持って戻ってきた彼も小さく呟いた。
『この1ヶ月、何の為に仕事を前倒してきたと思ってる。、、父親からも驚かれたくらいだ。今までそんな事したことないからな。』
そして今度はこっちを見ながらはっきりと言葉を発した。
『、、分からないのか?お前の喜ぶ顔が見たかった。どうしても叶えてやりたかった。』
その熱っぽい優しい表情に、彼も私と同じ気持ちでいてくれているのではないかと勘違いしそうになってしまう。
きっと彼はパートナーとしての最低限の優しさを見せてくれいるだけなのに、、、。
勘違いしないようにと自分に強く言い聞かせても、彼と目が合えば優しく目を細める仕草に泣きそうになってしまう。